授乳が始まれば、赤ちゃんは自然におっぱいを飲んでくれるものだと思っていました。
でも実際は、胸全体が張ることで乳頭の突起が短くなり、乳輪まわりも硬くなって、赤ちゃんはうまく吸い付けない状態でした。さらに乳頭も硬く、母乳も出にくくて、授乳は毎回ひと苦労。乳頭混乱のような様子もあり、授乳の時間が近づくだけで緊張するようになっていました。
そんな私が、助産師さんに支えてもらいながら、乳頭保護器、搾乳機、マッサージ、授乳姿勢、授乳スケジュールなどを試して、少しずつ落ち着いていった経過をこの記事にまとめました。
今、同じように「赤ちゃんが吸い付きにくい」「授乳がつらい」と感じている方に読んでもらえたらうれしいです。
授乳がうまくいかなかったときの状況
授乳の時間になるたびに、うまくいく気がしなくて緊張していた。
赤ちゃんにおっぱいを近づけても、すぐに吸い付けるわけではなく、口を開けても浅くなってしまったり、嫌がるように泣いてしまったりすることが多かった。
胸は張って痛いのに、乳頭は硬くて飲みにくそうで、「どうしたら吸えるの?」と毎回手探りだった。
赤ちゃんが泣けば泣くほど私も焦ってしまい、落ち着いて授乳するどころか、授乳の時間そのものが怖いような気持ちになっていた。
助産師さんがそばでサポートしてくれても、うまくやろうとするほど頭が真っ白になってしまう。
日々教わっていた抱き方や、吸いやすい方向への誘導、授乳クッションの位置などの助言も、その場では飛んでしまうくらい必死だった。
胸の張りと乳頭の硬さで何が起きていたか
助産師さんに見てもらって初めて、胸の張りと乳頭の硬さが、赤ちゃんの吸い付きにくさにつながっていると分かった。
私は最初、胸が張るのは母乳が出る準備ができている良いことだと思っていた。
でも実際には、張りが強いことで乳輪まわりまで硬くなり、赤ちゃんにとってはくわえにくい状態になっていたようだった。
さらに乳頭も硬めだったため、小さな口でうまく深くくわえるのが難しかったらしい。
飲みたいのにうまく飲めない。くわえたいのに浅くなってしまう。
その状態が、赤ちゃんにとっても私にとってもつらかった。
私はただ「飲ませなきゃ」と焦っていたけれど、そもそも吸い付きやすい状態を整えることが必要だったのだと、このとき初めて知った。
乳頭混乱も重なって、焦りと不安が強くなった
乳頭混乱のような様子も重なって、授乳の時間はますます不安なものになっていった。
おっぱいを近づけると嫌がるように泣いたり、くわえてもすぐ離れてしまったりすることがあり、「お腹は空いているはずなのに、どうして飲めないんだろう」と毎回戸惑っていた。
哺乳瓶のほうが飲みやすそうに見えるぶん、余計に焦ってしまい、「おっぱいではもう難しいのかな」と落ち込むこともあった。
授乳のたびにうまくいくか不安で、時間が近づくだけで少し緊張するようになっていた。
助産師さんに教わって試した対処法
授乳がうまくいかなかったとき、私ひとりでは正直どうしていいか分からなかった。
そんな中で助けになったのが、助産師さんにその都度状態を見てもらいながら、対処法を一緒に調整してもらえたことだった。
乳頭保護器
私の場合、赤ちゃんが泣くと舌が後ろへ引っ張られてしまうようで、ただでさえ吸い付きにくい状況が、さらに難しくなっていたようだった。
そのため助産師さんから、まずは乳頭に近い感触のソフトタイプの乳頭保護器を提案してもらった。
ただ、ソフトタイプはやわらかいぶん密着が弱く、赤ちゃんの口や手が当たるとズレやすかった。
私には少し扱いづらく、途中で外れてしまうこともあった。
その後、ソフトタイプとハードタイプの両方を試した結果、私にはハードタイプのほうが相性がよかった。
最終的には、ピジョンの「母乳相談室」の乳首を導入することになった。
母乳相談室は、乳頭に近い構造で作られていて、授乳の練習をしやすく、直接授乳への移行も目指しやすいと助産師さんに教わった。
哺乳瓶の乳首としても使えることや、月齢ごとにサイズを変えずに使える点も、私にとっては取り入れやすかった理由のひとつだった。
「直接吸ってもらうのがいちばん」と思い込みがちだったけれど、授乳を続けるための“つなぎ”として、こうしたアイテムに頼るのは悪いことではないと感じた。
搾乳機
胸が強く張っていると、赤ちゃんが吸っても少しやわらぐものの、どうしても残る張りがあった。
そこで助産師さんから、授乳後に搾乳して、残った分を出していくことを勧められた。
産後1カ月ほどは、体が母乳を増やそうと頑張る時期でもあるため、しっかり出すことが母乳分泌を整えることにもつながると教わった。
私は花びら型の手動タイプを選んだ。
構造がシンプルで、使いたいときにすぐ胸に当てられること、洗いやすいことが決め手だった。
授乳後に使うので、正直、睡眠時間はかなり削られる。
電動タイプなら装着中に両手が空くというメリットもあったけれど、私の場合は、装着の手間や部品を洗う負担を考えて手動タイプのほうが合っていた。
搾乳機は、楽をするためというより、張りをやわらげて次の授乳につなげるための道具だったと思う。
マッサージ方法
私の場合、産後5日目くらいまでは、胸が張るとおっぱい全体が張り付いたように硬くなっていた。
助産師さんからは、肩まわりから大きく動かしてほぐすストレッチを教わった。
やり方は、手を肩に当てて、肘を前後に大きく回すというもの。
肩甲骨まで動くように意識して大きく回すことで、おっぱいが張り付いているような感覚を少し和らげるイメージだった。
ストレッチをしても、張りそのものがすぐ消えるわけではない。
でも、張り付いたような硬さが少しゆるみ、おっぱいを揺らせるくらいには動きが出るようになった。
乳頭まわりのマッサージについても、助産師さんにやり方を教わった。
最初の私は、硬いところを3本の指でつまむようにしていたのだけれど、実際には2本の指でしっかり挟むようにしてほぐすほうがやりやすかった。
ほぐすのは乳頭だけではなく、赤ちゃんが「ハムッ」と深めにくわえやすいように、乳輪まわりも少しずつやわらかくしていくイメージだった。
押したときに少し沈むくらいまでやわらぐと、授乳につなげやすかった。
正直、2本の指でしっかり圧をかけるほうが痛い。
「これ、結構つらいな……」と思ったし、最初はかなり抵抗もあった。
それでも続けていくうちに、少しずつ慣れていった。
この「少しでもやわらぐ」という感覚が、私にとっては授乳前にかなり大事だった。
授乳の体勢
赤ちゃんに吸ってもらうことで張りは軽減していくけれど、助産師さんからは、同じ方向だけでなく、いろいろな角度から吸ってもらうことが大事だと教わった。
縦抱き、横抱き、フットボール抱きなど、姿勢を変えることで胸全体に偏りなく刺激が入りやすくなるらしい。
私自身も、体勢を変えることで少し吸ってもらいやすくなることがあった。
首が座っていない新生児は、とにかく赤ちゃんの体勢を安定させることが大切だった。
授乳クッションをしっかり置き、赤ちゃんと乳頭の高さは丸めたバスタオルで細かく調整した。
また、自分の姿勢もかなり重要だった。
私はつい前かがみになってしまっていたけれど、背筋を伸ばしたり、椅子やソファの背もたれに寄りかかったりすることで、体の負担が少し軽くなった。
1日の授乳スケジュール
3時間おきの授乳は、実際にやってみると想像以上にあわただしい。
授乳をして、寝かしつけをして、搾乳をして……と続けていると、気づけばもう次の授乳時間、ということも珍しくなかった。
助産師さんからは、授乳時間の目安として、片方5分から始めて徐々に10分程度へ、ミルクも含めて全体で30分くらいをひとつの目安にすると教わった。
ただ、実際は時計を見ながら余裕をもって進められるわけではない。
ミルクを足して、げっぷをさせて、落ち着かせているうちに、1時間近くかかることもあった。
しかも、搾乳の前後に乳首のケアやマッサージも入るので、やることは本当に多い。
痛みもあるし、気持ちの面でもかなりしんどかった。
それでも助産師さんから言われて少し気が楽になったのは、毎回完璧にやらなくていいということだった。
搾乳は、私の場合、授乳2回につき1回を目安に、張りが強ければその都度。張りがそこまで強くなければ授乳3回につき1回、という感じで調整した。
夜間は睡眠時間を確保するために、ミルクに寄せる時間を作ることもあった。
また、授乳も「必ず5分、10分しなければ」と思い詰めなくていいと言われた。
赤ちゃんが数回でも乳頭を吸うこと自体に意味があり、母乳分泌の刺激になり、赤ちゃん自身が授乳に慣れていくことにもつながるそうだ。
この言葉に、私はかなり救われた。
痛みもあるし、時間もかかるし、産後すぐは本当に大変だった。
でも、安心してほしい。
痛みは少しずつ減っていくし、一連の流れにかかる時間も少しずつ短くなる。
赤ちゃんも成長して姿勢が安定し、授乳そのものに慣れていくことで、毎回あんなに激しく泣くことも減っていった。
大切なのは、無理なく続けられる形を見つけることだと思う。
頑張りすぎて続かなくなるより、自分と赤ちゃんに合った方法で続けていくほうが、ずっと大事だった。
退院までにどう変わったか
助産師さんからは、「おっぱいの張りは産後1週間くらいがピークで、痛みは2週間くらいで少しずつ落ち着いてくることが多い」と聞いていた。
実際、退院までに張りが完全になくなったわけではない。
でも、最初の頃のように乳房全体が硬く張り付くような感じは、少しずつ減っていった。
乳頭や乳輪も、授乳前はまだ硬さがあるものの、前よりは早くほぐれるようになってきた。
それに合わせて、母乳も最初はにじむ程度だったのが、少しずつ射乳が見られることも出てきた。
授乳時間になるたびに緊張していた気持ちも、完全ではないけれど少しずつやわらいでいった。
授乳前後の準備や流れにも慣れてきて、1回にかかる時間も前より短くなったように思う。
まとまって眠れる時間が少し取れるようになったことで、体力的にも気持ち的にも余裕が出てきた。
そして乳頭保護器という頼れるものがあったことで、「今回もダメかもしれない」と思い詰めすぎずに向き合えるようになった。
退院後も痛みはあるけれど、無理なく続けられていること
退院すればすべて楽になる、というわけではなかった。
乳頭や乳房の痛みは残っていたし、吸い付きはじめのつらさもまだあった。
それでも、入院中のように「どうしたらいいか分からない」と毎回追い詰められる感じは、少しずつ減っていった。
助産師さんに教わったことを思い返しながら、ひとつずつ落ち着いて授乳できるようになってきたからだと思う。
うまくいく回が少しずつ増えたり、うまくいかないなりにも前より上達していると感じられたりしたことは、気持ちの面で大きかった。
前のように焦るばかりではなく、「無理なく続けること」や「少しでも楽にできること」を意識できるようになっていった。
自宅だと、授乳中や搾乳中に赤ちゃん以外の目を気にしなくていいぶん、入院中よりも気持ちが楽だった。
服が邪魔になりにくく、自分のやりやすいように動けるのも、続けやすさにつながっていると思う。
こういう小さなことも、毎日続けるうえでは意外と大事だった。
同じように吸い付きにくさで悩むママへ
もし今、赤ちゃんがうまく吸い付けずに悩んでいるなら、まず伝えたいのは、それはあなたのせいじゃないということです。
胸の張りや乳頭の状態、赤ちゃんのくわえ方、そのときの機嫌やタイミング。
授乳にはいろいろなことが重なっていて、頑張っているのにうまくいかない日があっても不思議ではないのだと思います。
今は本当につらくても、少しずつ楽になることもある。
私も「頑張らなきゃ」「頑張りたい」と思っていたけれど、まずは無理をしすぎず、自分が少しでもやりやすい形をつくることが大事でした。
産後1カ月を迎えようとして、今あらためて感じているのは、助産師さんに教わった乳頭や乳輪をやわらかくしておくことの大切さです。
当時は余裕がなくて必死だったけれど、今、落ち着いて「ハムッ」とおっぱいに吸い付いている我が子を見ると、「やわらかいと吸いやすいんだな」としみじみ感じます。
だからもし今つらいなら、ひとりで抱え込まずに、頼れるものには頼ってほしい。
助産師さんでも、道具でも、ミルクでもいい。
無理なく続けられる形を見つけることが、きっといちばん大事です。
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